明王・童子の部

不動明王

五大明王、八大明王の主尊。如来の忿怒形の相を示す。修行者の菩提心を起こさせ、悪を断じ、善を修す。大智慧を得て成仏させる功能がある。火生三昧に入って一切の罪障を消滅し、動揺しないから不動という。磐石座に座して、童子形。辮髪を左肩に垂れ、左眼は細く閉じる。火焔を負って右手に利剣を持ち、左手に羂索を持ち、衆生の煩悩を断じる。儀軌には密教図像があるが、自由な創作が多い。眷属には衿羯羅(こんがら)童子、制多迦(せいたか)童子かある。また、倶利伽羅不動は明王の像はなく、磐石の上に利剣を立て、そこに倶利伽羅龍王が巻きつき、利剣を呑み込もうとする姿。息災、増益を修法する不動法と国家の安泰を願う安鎮法がある。